脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹

脂漏性皮膚炎とは脂漏性湿疹とも呼ばれ、主に頭部や顔に発症します。
乳幼児、大人問わずに発症する可能性があり、アトピー性皮膚炎と同様に根本的な治療薬はありません。
治療にあたって、その症状と原因を再確認しておきましょう。

脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹の症状

症状としては、主に頭部や顔に赤みを帯びた湿疹が出て、皮膚がポロポロとフケのように剥がれ落ちる状態(落屑:らくせつ)、また軽い痒みを伴うのが特徴です。

また重度化した場合には髪や眉毛などの脱毛の可能性があります。

フケと勘違いしやすい

顔に症状が出た場合は、湿疹や落屑などの症状がでることで早めに発症を確認することができますが、頭部に症状が出た場合は、髪により紅斑などの湿疹を確認することができず、落屑があったとしてもフケと勘違いしてしまう可能性があります。

普段フケの多い人は特に注意が必要であり、脂漏性皮膚炎に伴う落屑は、通常のフケよりも皮膚が剥がれる量が多くなりますので、フケが多くなったと感じた場合は、湿疹が発生していないか確認するようにしましょう。

長期間頭部に症状が出ている場合は、脂漏性脱毛症を併発する可能性がありますので、注意が必要です。

脂漏性皮膚炎・湿疹は乳児や高齢者に多い

成人でも発症することはありますが、特に乳児と高齢者に症状が発症する可能性が高いようです。

乳児に症状が発症した場合は乳児脂漏性湿疹や乳児湿疹と呼ばれ、そのままアトピー性皮膚炎に移行する可能性もありますので、早めに病院での診療をお勧めいたします。

脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹の原因

湿疹や落屑などを伴う脂漏性皮膚炎は誰にも起こる可能性のある病気です。

ストレスや天候、また全ての人の皮膚に存在しているものが原因と成り得るからです。

皮脂とカビ(真菌)

皮脂は肌を乾燥や、肌から侵入するアレルギー物質から守るために必要なバリア機能です。

カビ(真菌)と聞くとお風呂場や水場に発生するものを想像しがちですが、目には見えないカビが空気中に漂っており、肌に付着したり、口や鼻から体内に侵入することもあります。

しかし、人には免疫機能がありますので、カビにより人体に直接的な害は少ないのが事実です。

皮脂とカビの悪循環

皮脂とカビは誰の肌にも存在しておりますが、存在する量が多い場合に脂漏性皮膚炎を発症する可能性が高くなります。

最近の研究で脂漏性皮膚炎の人の肌にはマラセチア真菌と呼ばれるカビが多く生息していることがわかりました。

マラセチア真菌の増加

マラセチア真菌は人の皮脂を栄養としており、その際に発生する脂肪が肌を刺激することで、免疫力が低下している場合に湿疹などの症状が発生するのです。

皮脂が多くなるとマラセチア真菌が増え、それに伴いさらに皮脂が増えてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹の治療

冒頭でもお伝えしましたが、根本的な治療薬は現段階では確認されておりません。

しかし、マラセチア真菌の繁殖が原因であるということから、効果的な治療方法が確立されてきております。

湿疹を治めて肌を清潔に保つ

湿疹などの症状が酷い場合には、まずステロイドにて湿疹などの症状を短期間で治める必要があります。

その後、マラセチア真菌と共に皮脂を減らすために、肌や頭皮を清潔に保つことで症状の発症を抑えることができるようになります。

マラセチア真菌を減らす為のシャンプーや、低刺激の抗カビ剤配合のシャンプーなども市販されておりますので、治療はしやすくなっているといえます。

治療には時間がかかります

しかし、原因とされる皮脂も、常在菌であるマラセチア真菌も人間の肌から完全に排除することはできませんので、免疫力が低下している場合には、いつまた症状が発生するかわかりません。

免疫力を高めるためには、バランスの取れた食事を取り、規則正しい生活の中で、十分な睡眠を取り、ストレスの少ない生活を送ることが大切なのです。

免疫力を高めるには長い時間がかかりますが、肌を清潔に保つことと合わせて続けることで、必ず脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹は治すことができるのです。